ビリー・ホリデイの伴奏者だったピアニスト、マル・ウォルドロンが愛した、沖縄が生んだ伝説のジャズシンガー与世山澄子。
彼女が30年以上に渡り守り続けてきた自身のお店『インタリュード』の歴史を残すべく、東京から南 博、安ヵ川大樹、菊地成孔、またZAK、パードン木村などそうそうたるメンバーが集まって2005年に録音されたアルバム、その名も『インタリュード』。(発売:タフビーツ)
2005年に発売されてから、根強いファンも多いこの作品。
その当時録音のために集まったミュージシャン、南 博、安ヵ川大樹、菊地成孔が12年の時を経て再びここに集結。
インタリュードの収録曲を中心に、感動の瞬間がここに蘇る。
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整理番号順入場
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南 博
安ヵ川大樹
菊地成孔
インタリュード
エンジェル
沖縄に行ったら、エンジェルと出会った。
その人は都合上、与世山澄子という日本人の名前を持っていた。
しかし、言葉が何語だろうが、彼女がエンジェルである事に変わりはない。
そのエンジェルは、エンジェルらしくなく、西洋画に出てくるような、
派手なポーズもとらず、自分から我が身をエンジェルだと主張する事もなく、
静かな居住まいを持っている。
一生のうちエンジェルに会える機会など、そうやたらにない事は僕にも分かっていた。まさか沖縄の街中でエンジェルに会うことができるとは。
僕はラッキーな男なのだ。エンジェルと過ごした夜の数々、
その暗闇に、彼女の頭のうえのシンボルが、僕らを隅々まで照らしていた。
たくさんの流れ星、天に向かう歌声、エンジェルの査証はこれで十分だ。
text by 南 博