追悼と愛を込めたDSD11.2MHzリマスター、『マクロコスモスVol.Ⅱ 中川瑞葉 』の全曲試聴&と中川瑞葉 のMini Live!!
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GEORGE CRUMB Makrokosmos, Vol.Ⅱ
/ Mizuha Nakagawa
Twelve Fantasy-Pieces after Zodiac for Amplified Piano
SDSD-1068
01. Morning Music (Genesis II) Cancer
02. The Mystic Chord Sagittarius
03. Rain-death Variations Pisces
04. Twin Suns (Doppelganger aus der Ewigkeit) [Symbol] Gemini
05. Ghost-Nocturne: for the Druids of Stonehenge (Night-Spell II) Virgo
06. Gargoyles Taurus
07. Tora! Tora! Tora! (Cadenza Apocalittica) Scorpio
08. A Prophecy of Nostradamus [Symbol] Aries
09. Cosmic Wind Libra
10. Voices from “Corona Borealis” Aquarius
11. Litany of the Galactic Bells Leo
12. Agnus Dei [Symbol] Capricorn
z1z1
Music by George Crumb
Performed by Mizuha Nakagawa
Produced by Jyoji Sawada for Unknown Silence
DSD recorded, mixed and mastered by Seigen Ono at Saidera mastering
℗ 2022 Unknown Silence / © SDM&LiveRec
*CDはこちらへお問い合わせください。
*Physical CD can be purchased from the contact below.
E-mail :info@unknown-silence.com
Unknown Silence レーベルについて アンノウン サイレンスは沢田穣治が2020年にさらなる高みを目指して立ち上げたレーベル。
unknown・silence・monochrome・nowhere 4つのコンセプトをモットーに掲げ、かつてジョン・ケージが「沈黙」の中に音を発見した地である日本の 古都・京都をベースエリアに設定。
私たちがまだ耳にしたことのない「音」を、日本から世界へ国境を越え て発信していく。
琵琶湖畔を臨むstudio BOSCOにてスタジオ主宰のエンジニア森 崇氏の描き出す音の質感を大切に、アメ リカのNONESUCH、ドイツのECM をマイルストーンとしながら、音楽家でありオーナーである沢田が理 想とするレーベル・イメージを明確化したラインナップを展開する。
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追悼
米国の作曲家ジョージ・クラム(George Crumb)が2月6日、ペンシルバニア州メディアの自宅で亡くなりました。92歳。
中川は、本作のレコーディング後音源を持って生前のクラム先生を訪ねマクロコスモス2の演奏に関して細かく説明をうけ素晴らしい感想をいただきました。
実はジョージ・クラム作品を初めて知ったのがそんなに早い時期ではなくクロノス・カルテットによる『ブ ラック・エンジェルズ』でした。
作品は1970年に書かれた作品なのも自身とのすごい繋がりを感じておりま す。
冒頭 導入部の斬新な演奏技法はかなりショックを受けた記憶があります。
自分自身90年代に弦楽カル テットのための作品を多く書いていましたが当時の自身の作品を聴くとかなり影響を受けたことは間違いな いと思いました。
もちろん内容は遠く及びませんが(汗。
彼のどの作品も演奏者に対して新たな可能性を引き出す試みがなされ、他の楽器を演奏させたり声を出させ たりなど演奏者にとってかなりのチャレンジ精神が要求される作品ばかりで、今回のマクロコスモス2も例 外なくクラム先生の思惑が詰まった作品です。
特殊奏法満載の中演奏する中川瑞葉の口笛はほんと頑張ったなと労いたい気持ちでした。
当時桐朋学園の学生だった中川瑞葉がクラム作品を演奏していることを知り、これからも演奏続けるならア ルバムを作りたいね、と当時言いましたがその言葉が実って卒業後実現させることができました。
音源が出来た時点で彼女に、ずっと愛しリスペクトしてきたクラム先生には必ず会ってアルバムを聴いても らうことは大切だ、と伝えましたが彼女もそう思っていたのでしょう、直ぐに単身クラム先生に会いに行き クラム先生と時間を共有し演奏に関してはクラム先生からお墨付きもいただけたことは彼女の一生の宝物に なったと思います。
そして同じジョージ繋がりもありますが、私自身作曲家ジョージ・クラムの今も色褪せない素晴らしい作品 に出会えたことはすごく幸せでした。
今は冥福をお祈りします。
2022 4/9 沢田穣治
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中川瑞葉 (Mizuha Nakagawa) Biography
photography: Maki Takagi)
桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部ピアノ科を卒業。パリ・エコール・ノルマル音楽院ピアノ科及び室内楽科のディプロムを取得。
在仏中はコンサートや音楽祭で演奏する傍ら、パリ近郊のコンセルヴァトワールで伴奏員・バレエピアニストを務めた。
Concours musical de France第1位、CMF賞、クロードカーンピアノコンクール第3位など国内外のコンクールにおいて受賞。テッセラ音楽祭「新しい耳」出演、インターナショナル・アンサンブル・モデルン・アカデミー参加。トーキョーワンダーサイト主催「トーキョー・エクスペリメンタル・フェスティバル」に出演。
高校時代よりジョージ・クラムの作品に取り組み、「クラム・ナイト」と題したコンサートを企画。2013年には本邦初録音の[GEORGE CRUMB Makrokosmos,
VolⅡ+(XQMD-1005)]を発売。
2017年クラシック音楽を現代へ再生・翻訳するプロジェクト『RE-CLASSIC STUDIES』の第1作[RE-FAURÉ]、2019年第2作[RE-DEBUSSY]発売。
東京成徳短期大学非常勤講師。
沢田穣治/音楽家
ジャンルを限定しない表現で映画、アニメ、アルバムのプロデュースなど音楽制作に広く関わり、 ブラジル音楽の室内楽トリオである「ショーロクラブ/ Choro Club」での活動は30年にも及ぶ。 最近では京都市立藝術大学で修復されたバシェ音響彫刻の研究にも関わり、バシェ音響彫刻の演奏家、作曲家としてはロームシアターでの公演、2018年には映像作家Vincent Moonとのコラボレーションも果たす。 現代音楽及び邦楽器などのための室内楽作品の委嘱などの作曲と並行して、シンガーとの公演、アルバム制作もEPO、おおたか静流、川本真琴、畠山美由紀、Vinicius Cantuaria、Joyce Moreno、太田裕美、松下奈緒などのプロデュースも手掛ける。 個人活動で作曲家の窪田ミナと「Nowhere Chamber Ensemble」、高木正勝などと「Closeness Ensemble of Kyoto」、ジャズ回帰から「沢田穣治/ContraBanda」鈴木大介、馬場孝喜との『Quiet Answer Trio」ほか。 楽器はベース以外にもギターをはじめとした弦楽器全般、ピアノなど幅広く演奏 ピアノソロアルバム「アヴァンギャルドな金魚」などをリリース。 前述の個人活動のアルバムは2020年に立ち上げた自身のレーベル 「Unknown Silence」からリリースもされている。https://www.unknown-silence.com
■オノ セイゲン
photo by Susumu Kunisaki
図書館で見つけた複雑怪奇な(でもなんだか美しい)譜面を手に、ピアノの前に座りそこに描かれた音を鳴 らしてみた。
当時17歳だった私は、それまでに出会ったことのなかった倍音の響きに一瞬で魅了され、虜と なった。(その時最初に弾いてみたのはマクロコスモス2巻の『死の雨のヴァリエーション』) それが私とジョージ・クラムの音楽との出会いで、その出会いが今でも私と音楽とを繋いでくれている。
9年前の2013年、ペンシルベニアにあるご自宅でご本人にお会いできたことは、夢のような、宝物の時間と なった。
クラム先生、沢山の素敵な作品を残してくださりありがとうございました。
これからも演奏させてくださ い。
安らかな眠りにつかれますように、お祈り申し上げます。
2022年4月
中川瑞葉