音源の魅力を最大限に引き出すハイグレードな音響装置で作品を再生しつつ、楽曲の背景やエピソード、制作秘話など三宅純氏の作品を様々な角度からその魅力に迫る大好評のListening & Talk Sessionシリーズの2024年度第一弾の開催が決定!
この度は、ジャズを中心にした最新の音楽情報をはじめファッション、アート、映画、グルメなど大人が楽しめる上質なエンタメ&カルチャーを紹介するカルチャーメディア、ARBANとの共同企画にて、同メディアに掲載予定の三宅氏のインタビューを公開収録!!
当日は、前半は三宅氏がスコアを担当した、ウクライナのクリミア・タタール民族指導者として知られるムスタファ・ジェミレフの生涯を描いたウクライナ映画『OXYGEN STATION』の音楽について。またヴィム・ヴェンダース監督作品『PERFECT DAYS』から派生した、ダンサーの田中泯にフォーカスした短編アートフィルム、『Some Body Comes Into the Light』の音楽などについて、後半はNYへの拠点移動を間近に控えた三宅氏の心境や今後の活動についてなどにフォーカスした内容を予定。
この機会にしか聞けない音源、映像、貴重な話が飛び出すこと必至!!
進行役には、三宅氏と交遊の深い画家・寺門孝之画伯、インタビュアーにARBAN 代表の原田潤一氏をお迎えします。
そしてなんと、三宅純氏が作中の音楽を担当した、 第36回東京国際映画祭(2023年10月23日開催)にてワールドプレミア上映された、 ダンサーの田中泯にフォーカスしたヴィム・ヴェンダース監督の新作短編映画、『Some Body Comes Into the Light』の上映が決定!!
是非華やいでお出かけください。
毎回、音源の魅力を最大限に引き出すハイグレードな音響装置で作品を再生しつつ、楽曲の背景やエピソード、制作秘話など三宅純氏の作品を様々な角度からその魅力に迫ります。
ジャズをルーツに、異種交配の限りを尽くし、時代に欠落した音楽を作ることを 目指して映画、CM、ダンス、舞台、ドキュメンタリーなど様々なジャンルの作品に楽曲を 提供してきた稀代の作曲家。ピナ・バウシュ、ヴィム・ヴェンダース、フィリップ・ドゥクフレ、オリバー・ストーンなど、世界の名だたるアーティストから賞賛を受け、主要な楽曲を提供した『ピナ/踊り続けるいのち』(ヴィム・ヴェンダース監督)ではアカデミー賞にノミネート、ヨーロッパ映画賞でベスト・ドキュメンタリー賞を受賞、オリジナル・アルバム『Stolen from strangers』『Lost Memory Theatre act-1』『Lost Memory Theatre act-2』が3作連続でドイツの音楽批評家大賞を受賞するなど、パリを拠点に世界的に活躍、2016年8月のリオ・オリンピック閉会式「東京プレゼンテーション」における、「君が代」の前代未聞のアレンジは日本中を驚嘆させた。近年手がけたサウンドトラックには、『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』、『嘘はフィクサーのはじまり』、『浮世の画家』、『人間失格:太宰治と3人の女たち』、『雪国-Snow Country-』、そして舞台音楽には『No.9―不滅の旋律―』、『サンソン(SANSON)-ルイ16世の首を刎ねた男』などがある。
画家・神戸芸術工科大学教授、間(あわい)のデザイン研究所所長。大阪大学文学部美学科卒業後、セツ・モードセミナーにて長沢節に絵を学ぶ。並行して、ニューメディア画像制作会社 ㈱シフカに入社。各種デジタルコンテンツの企画・制作にチーフイラストレーター、ディレクターとして携わる。
1985年、第6回日本グラフィック展大賞受賞。1986年、㈱シフカ退社以降フリーランス。以後、神戸・東京を二拠点に光り輝く天使や、夢・物語の世界を描き、展覧会での作品発表はじめ、絵本、ライブペインティングなど幅広く活動。
三宅純作品のCDジャケットのアートワーク、『原宿文楽』(ラフォーレミュージアム)やミュージカル『キャバレー』(演出/松尾スズキ)のポスター画、結城座公演の人形デザイン、角川映画『人間失格』(監督/荒戸源次郎)の劇中画、朝日文芸時評挿画など、他分野とのコラボレーションも多数。2014年より、リネンの表裏二面から描く透過手法で、天使画の新機軸を発表しつづけている。
2020年、作詞家・松本隆氏とのコラボレーション展「風街ヘブン」を神戸市立相楽園内の重要文化財 旧小寺家厩舎に於いて開催。
新約聖書の受胎告知場面から発想した自作の新作能『或能川』を、去る3月25日に神戸・湊川神社神能殿にて人間国宝・大槻文藏氏監修・出演のもと上演。その中で三宅純氏即興演奏と能囃子方とのコラボレーションも実現し、好評を博す。
『Some Body Comes Into the Light』
役所広司主演の最新作『PERFECT DAYS』に出演する田中泯との奇跡のコラボレーションで生み出された短編映画で、『PERFECT DAYS』撮影最終日に日本で撮影。
しかしあまりに鮮烈なその映像は引力があり、本編のなかにはおさまりきれなかったのだという。
カンヌ国際映画祭の後、ヴェンダース監督はあの映像を一つの作品にすることを思い付き、『ピナ 踊り続けるいのち』やヴェンダース財団などでヴィム・ヴェンダース監督とも創作をともにしている世界的に活躍する音楽家、三宅純氏の音楽と出会い、より美しく神秘的な作品として完成。美しい時と光の揺らぎ。言葉のない、唯一無二の物語となっている。
【ヴィム・ヴェンダース監督 コメント】
田中泯とは何年も前に出会い、彼の踊りを観たこともある。
親しくしていた友人のピナ・バウシュにとって彼は偉大なヒーローで、大きなリスペクトとともによく話しを聞かせてくれました。
だから、私たちの映画『PERFECT DAYS』で小さな役を演じることを泯さんが引き受けてくれたときは、本当に胸が踊りました。でもその一方で、不安を覚えました。
泯さんの才能を見せるのに十分な時間が映画のなかに本当にあるだろうか、この映画で彼の存在を本当にうまく表現できるのだろうか、そう自分を疑ったのです。
ほとんどの人からは「見えない」が、主人公の平山にとっては確実に存在する「ただの」ホームレスという小さな役を演じているとき、泯さんはかなり落ち着いていた。私はそれで心強い気持ちとともに、この役を大切にしようと心に誓いました。
なのに撮影が終わりにさしかかった頃、再び同じ疑念がわいたのです。
泯さんの大いなる才能を思えば、まだ存分に描ききれていないと感じたのです。
撮影の最終日、この日は主役の役所広司さんは不在で、いつもであれば足りない街の実景の撮影に充てるのですが、私はその半日を泯さんの撮影に使いたいと皆に言いました。撮影スタジオを用意して、撮影のフランツ・ラスティグが本物の木をたくさん用意して、泯さんのパフォーマンスを余すところなく撮影しました。彼と木々のみで、他にセットは一切なく、ただ光と影だけでした。大きな木漏れ日のなかの田中泯、と言えるかもしれません。映画のなかの夢のシーンで、この映像をふんだんに使えるという期待がありましたがそれでも結局、泯さんの登場は少ないままでした。
私は突然に(カンヌ映画祭の受賞式の最中に)思いついたことを、良き友であり脚本を一緒につくった高崎卓馬氏に話しました。『PERFECT DAYS』のためにまだやり残したことがある、泯さんのあの踊りの映像の完全版を編集することだ、と。
それがついに完成して、この作品を、そしてあの映画のホームレスの存在が、平山だけでなく世界中のたくさんの人々の目に触れる。
そのことをとても誇りに思います。
泯さん、あなたは私が今まで出会った人の中でも、極めて素晴らしい人です!
ヴィム・ヴェンダース