- 2020.04.23 (Thu)
- title. 晴れたら空に豆まいてからのお願いと現状のご報告

みなさま、日頃より「晴れたら空に豆まいて」をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。また、このところの新型コロナウイルス災害によって大変な不安と重たい思いに苛まれていらっしゃる中、突然のお願いとお知らせをさせていただくことをお許しください。
私たち、「晴れたら空に豆まいて」は「店の存続」と「未来の新しい扉を開く」ために
クラウドファンディングを始めさせていただきます。
「代官山 晴れたら空に豆まいての「存続」と「事業継続」のための緊急支援プロジェクト」
この決断に至るまでは長い時間と葛藤がございました。
それは、店の存続のために皆様からお金を募ると言う行為そのものが情けなく、恥ずかしかったからです。そもそもお世話になってきたのはこちらの方で、お世話になってきた者がお世話をしてくれてきた方々にこのようなお願いをすること自体辻褄が合いません。
お世話になってきた方々とは、ご出演者の皆さん、ご関係者のみなさん、ご来場いただいてきたお客様の皆さん、私たちに関わっていただいた全ての方々です。
私たちの仕事はこうした方々によって成り立っています。
そしてきっとこの文章を読んでいただいているのは、こうしたお世話をしてくれた方々です。それが故に複雑な苦しい心の葛藤がございました。
しかし、「晴れたら空に豆まいて」が現在経営の危機的状況にありこのままでは廃業するしかないと言う状況に追い込まれた今、悩みに悩んだ結果このクラウドファンディングに踏み切ることにいたしました。
まずは、長くなりますがこの思いに至ったストーリーと、私たちが思い描く「未来の新しい扉」について赤裸々に告白させていただきます。
わたし達の物語りは1997年9月7日に(23年前)に横浜は関内という町で始まりました。小澤浩さんというアートを愛するオーナーの元に若いミュージシャンが集まり、突貫工事で自分たちの手で工事をし、作り上げたのが横浜BBストリートという小さな小さなライブハウスでした。
その後、横浜の地に月桃荘(げっとうそう)スタジオというレコーディング・リハーサルスタジオを作り、青山に月見ル君想フというライブハウス、藤沢に太陽ぬ荘(てぃーだぬそう)スタジオ、そして代官山に「晴れたら空に豆まいて」を開店させました。
「晴れたら空に豆まいて」がオープンしたのは今から14年前のこととなります。
わたしは、このグループのまとめ役としてほぼ全ての事業に立ち上げから関わらせていただきました。やがて今からおよそ4年前にオーナーがフランスへ移住することがきっかけで全ての店舗がそれぞれ独立してゆきました。わたしは最後に残ったこの「晴れたら空に豆まいて」を背負わせていただくことになったのです。
こうした歴史の中で、浮き沈みはあったものの心と心を繋ぐことのできる優秀なスタッフと共に、「晴れたら空に豆まいて」は成長して参りました。
多くの素晴らしいミュージシャン、落語家、思想家、ダンサー、DJ、学者などの文化人のみなさまにご縁をいただき、日々エキサイティングで充実した時間の中で目の前にある仕事に従事してきたのだと今更ながら実感します。
その一日一日が心躍る祭りであり、官能を刺激する快感であり、知性を与えてくれる学問であり、出会いを繋げてくれる人生の扉でした。文化というものはこうした時間の積み重ねの中で創造されてゆくという事も同時に教えていただきました。
音楽やアートには人生や、愛や、悲しみや、欲望や、喜びや、人間が持つ全ての意識、魂、心、感情と言ったものを表現することが使命があると考えています。そしてその表現が時には人々に寄り添い、時には人々を励まし、時には人々に感動を与え、時には人々の思考に影響を与える尊い役割を担っています。
私たちの仕事は、その表現の場をご提供することでした。
最高の音質で、美味しいお料理で、真心がこもったホスピタリティーでご出演者の皆さんとご来場いただけるお客様にご提供させていただくことへの努力が私たちにとっての日常であり、喜びであり、誇りでありました。
それが今、新型コロナウィルスの出現によって突然全ての活動が止まりました。23年間の歴史の中で初めての経験です。
連日報道で「ライブハウス」は槍玉に挙げられ、その後の政府や自治体などからも名指しでライブハウスには近づくなと警告され続けてゆきました。
ウィルスの拡散防止と安全の確保のためには、当然私たちの活動を止めなければなりませんし、それが最善の策であることもわかっておりました。したがって、私たちは4月1日からの臨時休業を3月の段階で決定しました。
これは店側の独自の判断で、当時まだ色々なお考えがある中での一方的な判断でした。その判断の根拠は漠然とした不安が広まる中、私たちが重要視してきた心から楽しんでいただける空間の演出をご提供する自信が無くなった事と、従業員、ご出演者の皆さん、関係者の皆さん、ご来場いただく皆さんの安全を確保する事でした。
ありがたいことに、全ての皆さまの深いご理解とお気持ちによってこの決断については驚くほどスムーズに実行されました。
もちろん何の補償も無い状態での1ヶ月もの間の休業は経営的には大打撃でほぼ即死の状態に自らを追い込むことと等しい選択でした。その選択は同時にスタッフの生活や店の存続に決定的なダメージを与えることでもあったのです。
多くの同業者の皆さんがすでにご経験されていることと思いますが、毎日更新される慣れない言葉や情報に振り回され、毎日経営プランのフォーメーションを変えなければならず脳内と心の整理は大変です。
政府の補償関連の発表は、よくよく聞いてみるとものすごく難解奇怪な計算式があり、窓口になる労働局も区役所も銀行も詳細が知らされていないため手続きに時間がかかります。
資金繰りという意味では国の補償や自治体のサポートはほぼ機能しておらず、それを待っている時間はありません。
晴れたら空に豆まいては、現在打つ手を打ち尽くし、あらゆる可能性についての準備は整え、出来る限りの努力はさせていただいておりますが、このままでは完全に資金ショートし廃業に追い込まれる直前にいます。
まずはこうした危機的状況を救っていただくべく「クラウドファンディング」という最後のお願いに踏み切ることを決めさせていただきました。
そして私たちは存続の危機を救っていただくお願いを申し上げるのと同時に、この先の未来図としてこのようなことを考えています。
これにつきましては、存続できるかどうかもわからない状況の中であることが前提ではありますが、何が自分たちにとっての懸命なる努力か?あるいは何がみなさんにとって喜んでいただける活動なのか?という問いに対する答えです。
みなさんのご支援によってこのお店の命を救っていただいた後に、私たちは晴れたら空に豆まいての文化事業を継続させなければなりません。それは、もしかしたら「未来の扉を開く新しい扉」になるのかもしれません。
一つ目は晴れたら空に豆まいてのセレクトオンラインショップの開設です。
長年にわたる運営の中で、多くのご出演者の皆様から貴重で希少な情報を沢山いただいてまいりました。また、独自の地方都市での活動により様々なエリアへのホットラインがございます。南は沖縄から北は北海道まで。全国津々浦々、細部に渡るまでの情報がございます。
私たちが考えたのは音楽がきっかけで繋がったこの貴重な情報と物をみなさまへお届けすると言うことでした。
大手の流通には乗ることの無い、希少で、貴重で、オリジナリティ溢れ、暮らしに役立つ素晴らしい商品をご紹介するお店の開設です。
そして、二つ目はご自宅でお楽しみいただける配信、番組制作です。
従来の通信システムを強化し、映像と音のクオリティを最大限に引き上げ、会場では見ることのできない演出を施したオリジナル番組を制作いたします。
クラウドファンディングで募集するお金の使用目的は、Webショップ開設のための費用、通信システムの強化費用、ネットワークの構築費用、映像収録機器のスペック強化費用、番組制作費、そして何よりこの活動を実現させるための店舗の維持継続救済費用ということになります。
どうぞみなさまの温かいお気持ちと、この企画にご賛同していただけることを切にお祈り申し上げつつ、この場をお借りいたしまして誠にお恥ずかしながら救済の手を差し伸べていただけますようお願い申し上げます。
そして最後になりましたが、まだまだ不安が続きみなさまの暮らしも激変する最中ではございますがどうぞお身体にお気をつけて健康を維持していただけますよう心よりお祈り申し上げます。また「晴れたら空に豆まいて」が無事に再開し、みなさまと会場でお会いできることを心より楽しみにお祈り申し上げます。
長く拙い上、厚かましいお願いの文に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
2020年4月10日(金)
代官山 晴れたら空に豆まいて
株式会社 ベルリンの庭で
代表取締役 松㟢信太郎(越路よう子)
「代官山 晴れたら空に豆まいての「存続」と「事業継続」のための緊急支援プロジェクト」