自然の循環と人間の生きる根源の光を求めた宇梶静江の世界
アイヌの精神と魂の原点を探る自然回帰的なドキュメント映像詩!
作品の上映、金 大偉監督をお迎えしてのTalk sessionを開催!!
映画『大地よ』 〜アイヌとして生きる〜特別上映
映画予告篇『大地よ』
海の神、風の神、森の神、
大地の神への祈り
アイヌとして生き、その精神性を問い続けた宇梶静江の世界
人間らしい生き方とは何か?
自然に生きるアイヌの知恵とは何か?
民族のアイデンティティー、共生への光を求めて
今こそ響く、アイヌの知恵が蘇る
アイヌの人々が守り伝えてきたものはたくさんある。自然を敬い、人と人との礼儀を尽くし、祖先から伝えられた豊かな文化や習慣などがあった。また文字を使わないアイヌの人々は、口伝によるユカラ(叙事詩)や、踊りや歌などで文化と歴史を伝えることで、大切にしてきた民族の生き方を喚起し、その精神性を問い続けて来たといえる。
この作品は、90歳になった宇梶氏の熱い思い、生き方から得た大事な知恵で構成。またアイヌの伝統刺繍を生かした宇梶氏のオリジナル「古布絵」や詩作などを通して、全体的に表現したドキュメント映画である。そこにはアイヌ民族の精神性と力が秘められていて、共生、共存、共進化の姿が見えてくる。
自然のサイクルを大事にする意味において、自然曼荼羅が循環する姿そのものであり、アニミズムの回帰が原点化にすることでもある。生きものの全てが自然の一部であると同時に、祈りの姿が光の彼方へと向かうのである。
「言葉」、「声」と「音」を大事にしたナチュラル・アンビエント映像作品
作品の中には、様々な声や音が存在する。アイヌ語の歌、音楽、海の音、水の音、風の音、天空の音、霊たちの音‥‥。様々な声が共存する。循環し交錯し重合する多次元的な時間と空間である。
映像形式:フルハイビジョン
16:9(サイズ)
作品時間:105分
制作: 2023年度作品
言語:日本語、アイヌ語
製作:藤原書店
制作協力:TAII Project
出演:宇梶静江
友情出演
萱野れい子
山本栄子
原田公久枝
石井ポンペ
畠山敏
監督・音楽・撮影・構成:金 大偉
プロデューサー:藤原良雄
顧問 能澤壽彦
編集:吉野直子
撮影:金 大偉、山本桃子
ナレーション: 宇梶剛士
アイヌ伝統歌: 宇佐照代、豊川容子
音楽協力:Hagi、岩崎裕和
題字:佐藤翔雲
制作進行:藤原洋亮、山﨑優子、 他
アイヌ写真 :『シラオイコタン 木下清蔵遺作写真集』より
協力: 公益財団法人アイヌ民族文化財団
萱野茂二風谷アイヌ資料館
シャクシャイン記念館
平取町立二風谷アイヌ文化博物館
札幌市アイヌ文化交流センター.
北海道大学
一般社団法人 アイヌ力
TP STUDIO
MIDI Inc.
アカデミーアポロ
株式会社コロナ
後藤新平の会、 他多数
制作協力:TAII Project
制作進行:映画『大地よ』制作実行委員会:
企画・製作・配給:藤原書店 C.2023
宇梶静江 Ukaji Shizue 略歴 (出演)
1933年、北海道浦河郡姉茶村のアイヌ集落に生まれる。20歳で札幌の私立北斗学園中等科に入学。卒業後に上京、結婚、二児の母に。66年、『詩人会議』同人となり、壺井繁治に評価される。72年2月『朝日新聞』に「ウタリたちよ、手をつなごう」投稿、評判に。96年、アイヌ伝統刺繍でアイヌ叙事詩を表現するオリジナルな「古布絵」を創出。2011年、吉川英治文化賞受賞。2020年、後藤新平賞受賞。2023年に北海道文化賞。著書に『アイヌ力よ!』、『大地よ!』(自伝)『シマフクロウとサケ』(絵本)(以上藤原書店)等。
金 大偉 Kin Taii 略歴 (監督、音楽、撮影、構成)
中国遼寧省生まれ。父は満洲族の中国人、母は日本人。来日後、独自の技法と多彩なイ マジネーションによって音楽、映像、美術などの世界を統合的に表現。近年はアジアを テーマに音楽や映像作品を創作するほか、映像空間インスタレーション展示、絵画展、 ファッションショー及び映画の音楽制作、演劇舞台の演出、国内外にて音楽コンサート やイベントを行い、様々な要素を融合した斬新な空間や作品を創出している
音楽CD:『Waterland』(’97)、『新・中国紀行』(’00)、『 龍・DRAGON 』(’00)。また 中国の納西族をテーマにした『TOMPA東巴』(’03〜’07)シリーズ3枚を発売。東日本
大震災への祈りの組曲『念祷 nentou』(’11)、『冨士祝祭〜冨士山組曲〜』(’14)、 『鎮魂組曲』(’16)、『鎮魂組曲2 東アジア』(’17)、『マンチュリア サマン』(’18) など22枚リリース。また,自身の表現世界の流れや創作への思想などをまとめた著書 『光と風のクリエ』(’18)がある。
映画、映像監督作品:『回生』(’00)、『しゅうりりえんえん』(’03)、『海霊の宮』 (’06)『水郷紹興』(’10)、『花の億土へ』(’13)、『ロスト マンチュリア サマ ン』(’16)、『シマフクロウとサケ』(’21)、『天の億土』(’22)、アイヌ文化と 精神をテーマに『大地よ』(’23)失われゆく満洲文化をテーマに『天空のサマン』(’23) など多数。